10代は容認派が多数
内閣府による調査で、出会い系サイトに関する認識の世代間格差が明らかになった。
これは内閣府大臣官房政府広報室が公開した「児童の性的搾取に関する世論調査」と題するレポートによるもの。今年の8月に、全国の15歳以上の男女5,000人(有効回答数3,247人)を対象に、児童買春や児童ポルノなどに関する国民の意識把握を目的に行なわれた調査の結果をまとめた内容となる。調査項目はインターネット、出会い系サイト、児童ポルノと大きく3つのカテゴリーに分かれ、後ニ者に比重を置いた構成だ。
「出会い系サイトへアクセスしたきっかけ」のグラフ
「児童の性的搾取に関する世論調査」より
調査のうち、出会い系サイトの利用に関する質問では、「実際に利用したことがある」は全体の2.5%、「見たことはあるが実際に利用したことはない」は10.3%となった。利用およびアクセス経験者は全体では少数だが、世代別で大きくばらつきがある。割合でみると20代(20〜29歳)の利用・アクセス経験が最も高く、「実際に利用」が男性11.8%、女性8.3%。また「見たことがある」が男性36.4%、女性25.0%となった。20代の男性は、ほぼ半数が出会い系サイトにアクセスした経験を持つことになる。次いで多いのは10代で、15〜19歳では「実際に利用」が男性12.6%・女性7.4%、「見たことがある」が男性24.2%、女性22.2%。実際に利用した経験では、10代男性が最も高い数字となった。
実際に利用したことがある回答者のうち、「同性・異性とも実際に会ったり、メールや電話のやり取りをしたことがある」と回答した者は30.0%。「同性とだけ実際に会ったり、メールや電話のやり取りをした」は6.3%、「異性とだけ実際に会ったり,メールや電話のやり取りをした」は18.8%となった。また出会い系サイトにアクセスしたきっかけでは、「携帯電話への広告メール」が49.0%と最も高く、次いで「ネットサーフィンでたまたま見つけた」(26.8%)、「知り合いの紹介」(12.1%)と続いている。
出会い系サイトを18歳未満の者が利用することについては、「とにかく利用することはよくないと思う」という回答者が全体で59.7%。以下「条件付きであれば利用することはかまわないと思う」(17.9%)、「利用することはかまわないと思う」(10.4%)となった。年代別ではこの傾向が異なり、15〜19歳では「利用することはかまわない」が男性31.6%・女性25.9%、「条件付であれば」が男性25.3%、女性22.2%。特に15〜17歳で、「利用することはかまわない」が男性34.5%・女性30.0%と高くなっているのが特徴だ。また20代男性も、「利用することはかまわない」が28.3%、「条件付であれば」が34.2%と高い。一方で、「出会い系サイトに関連する18歳未満の者を被者者とする事件が増加している事実を知っているか」という質問では、「知っている」が90.8%で、これには年代別の違いは特に見られなかった。
出会い系サイトについての犯罪が増加していることは全世代に共通しているが、実際の利用については世代差があり、特に10代・20代で実際に利用、また利用を容認する傾向が強くなっている。なお「出会い系サイトに関連する犯罪から18歳未満の者を守るために必要なこと」という項目では、「利用者のモラルの向上」が50.0%、「発信者・サイト設置者に対する法的規制」が48.4%、「取締りの強化」が45.7%、「行政の指導の強化」が39.7%などが上位となった。
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